「この体験記は、GX-100燃料噴射エンジンの共同開発元(現在は取り扱いされていません。)である、日晴金属株式会社の若手社員の方によるものです。」
※ 現在のバージョンのオプションのA/F(空燃比)センサーは、文中にありますモリワキ製ではなく、インテグラル製リニアセンサーになります。
FCデザイン
(VOL.3)
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平成14年10月 晴れ
日晴金属株式会社 八尾事業所
体験報告 技術部 堀 雄二
前回は、パソコンと接続してエンジンを運転して
かなり専門的に体験できました。(^0^)
今回はより専門的に、近日中に発売される予定の(11月新発売)
空燃費を定量的に測定できる、A/Fセンサを取付けて報告してみたいと思います。
【補足1】
空燃比とは、一回の燃焼に必要な燃料量の、シリンダ内に入る空気の
質量に対する燃料の質量比のことです。
ちなみに、一般的には下記のように言われています。
14.7:1・・・理論空燃比(吸入した酸素が全て燃焼に発生熱量は最も多い)
12.5:1・・・出力空燃比(燃焼速度が最も速く、最大トルクを出せる)
17.8:1・・・経済空燃比(燃料が薄い割には、パワーが落ちすぎず燃費が良い)
本製品のA/Fセンサは、モリワキ製のラムダセンサを使用しております。
エンジンを運転しながら、視覚的にA/Fを確認できるアイテム。
LEDランプによって、リッチ、リーンの状態を表します。
おー、かなり本格的!!!
どうなることやら・・・
今回は新製品が、まだ出来上がっていなかったので、従来品のVer.1にA/Fを簡易的に取付けての報告になります。すみません。
近日中には、新製品の写真を公開致しますので、今しばらくお待ちください。
では、早速やってみます!
ひととおりの準備はもうかなり慣れてきた!?のでテキパキとこなせます。
今回のA/Fセンサについて簡単に説明いたしますと、A/Fセンサブラケットを接続しそこにセンサを取付けています。
そこで測定されたデータがパネルに取付けられているLEDランプに表れます。
A/Fセンサブラケット (S45C)
A/Fセンサ (モリワキ製 ラムダセンサ)
※ 現在のバージョンではインテグラル製リニアセンサになります。(FCデザイン補足)
さあ、エンジンスタートです。
今回は、スロットル開度を固定した状態で、噴射量調整ダイヤルにより噴射時間を変化させ、空燃費を変化させてみたいと思います。
まずは、理論空燃費の位置をつかんでみます。
そのために、噴射量調整ダイヤルを、約1.0に設定しました。
そのときのエンジンの運転状態は、ケーブル接続したパソコン上にリアルタイムなデータとして現れるようになっています。
ちなみに今の噴射時間は、1.553 (1/1000sec)です。
すると、A/FセンサのLEDランプが「1」の所にあり、緑色になりました。
この時、理論空燃比でエンジンが回っているという事になります。
エンジン音も排気ガスのにおいも、とてもいい感じです。
次に、ダイヤルを回してリーン側に大きく振ってみます。
すると、A/FセンサのLEDランプが「LOW」の所に動き、赤色にひかりました。
やはり、先ほどとは違いエンジン音が微妙にかわりました。
LEDが示すように、エンジンの空燃費が理想空燃費から一気に下がり、経済空燃費に近づいた状態になった事がはっきりと分かります。
今度は、ダイヤルを回してリッチ側に大きく振ってみます。
噴射時間が長くなるので、先程よりも若干エンジンの回転数が上がりました。
すると、A/FセンサのLEDランプが「9」の所に動きました。
リッチ側に振ったことによって、今エンジンの空燃比はさっきよりも高くなり、出力空燃費に近づいた状態になったことがよく分かります。
今までは、空燃費が定量的には分からなかったのですが、(エンジン音や排気ガスのにおいなどに頼っていた)
今回はA/Fセンサを取付け、LEDランプで表示させることにより、現在のエンジンの空燃費がリアルタイムに正確にはっきりと示せる様になりました。
また、噴射時間を増減する事によって実際にエンジンの空燃費がどのように変化するか大変深く学習でき、満足しました。
また、近日中にレポート致しますので、お楽しみに !(^0^)!
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