FancyCarol is Ecomarothon Team in Japan
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FancyCarol
Challenging 25th SELL ECO-MARATHON FinlandD
25th SHELL ECO-MARATHON Finland 2000への参戦記
大会公式結果 * Official Results
レース参戦概要 * Outline of Our Challenge
写真集 * Photos
Special thanks!この度の海外遠征に対し、御声援、御協力を頂きました皆様に厚くお礼申し上げます。
Thank you very much for all your help and cheering to our activity and trip.

高陽自動車学校 株式会社セイワ技研 OPTIMA racing Marcel CALLO
全長1780mの新設コースで FANCY CAROL-NOK号 優勝!! 記録2971km/L
We could win on the new 1780m course.The record was 2971km/L
New coloring image is from cherry blossom that is a symbol of Japan. designed by Hiroyuki

2位はFranceの強豪OPTIMA Racing 2364km/L(new Diesel world record)
参加21台は、フランス、フィンランド、ベルギー、ポルトガル、日本の5カ国から参戦。

2nd place was a strong French Optima Racing 2364km/L(new Diesel world record).
21teams joined from Finland,France,Belgium,Portugal and Japan.
レース参戦概要 outline of our challenge

今回の遠征は、かみさんと私の二人だけである。昨年度のイギリス大会では、ドライバーの重量差で宿敵フランスのMicro JuleTIMに及ばず、世界新記録(3486km/L)も樹立されてしまった。今年はレギュレーションで45kgというドライバーの重量制限が付いたため、イコールコンディションで闘えるようになった。
FC号の昨年度のシルバーストーンでの記録は3129km/Lであった。今年約12%性能向上しているので、コースと気象条件が同じように良ければ約3500km/Lの新記録を狙うことができる計算になる。果たしてどうなるかいよいよ勝負である。
フランス大会後、パリのOPTIMA Racingに預かって頂いたFC号を今回同じくフィンランド大会に出場するフランスのチームMARCEL CALLOが、Nokia circuitまでバンで運搬してくれている。
MARCEL CALLOは、'91に日本のマイレッジマラソンにヨーロッパチームを代表して招待された名門中の名門チームである。自分達の分だけでも大変なのに、ライバルでもある我々のために、3000kmの車両運搬を引き受けてくれたのだ。
先のフランス大会でも、世界最強で世界記録保持チームMICRO JULEが、少人数で参加している我々を気づかって、広いNOGARO circuit内でピットからスタートラインまでの約400mの車両移動を何度も何度も手運搬してくれた。感情豊かなフランス紳士達は、すばらしい技術だけでなく、思いやりもとても厚く、経済至上主義の我々日本人に”もっと大切なことがあるよ”と無言で語りかけるのだ。
そんな、暖かさに酔いしれながらも、義理は義理、勝負は勝負で、競技では精一杯競い合って我々も何か我々のいいところを彼らに感じ取ってもらいたいと考える。
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写真集 Photos
8/25(金)公式練習前日 The day before official track testing
FINLAND AIRで先に現地入りしていた我々が朝10時にNokia circuitに着くとまだCallo teamは、到着していなかったので、サーキットを歩いて回った。
今年度はイギリス大会が中止され、この新設された新Nokia circuitが、最も記録が狙える可能性が高いと考えられるのだ。
しかし、実際歩いてみると、3mの高低差はなめらかなため、予想通りそれほど記録には影響を与えないと思われるが、きれいな新しい路面の表面はざらざらで擦り切れたシルバーストーンの表面とは大きく違っていた。
また、約1/4を占める旧コースの路面は、改装されておらず表面の凹凸が大きいままになっている。実際に計測しないと定量的なことはいえないが、少なくともよい状態ではないことは確かだ。この状態でどこまで記録が伸ばせれるかが今大会の勝負どころだろう。
13時を過ぎたところで、Callo teamが到着した。
公式練習前日も走行練習ができるので、早く練習しようとバンからマシンを降ろしていると雨が降ってきた。今年のフィンランドは雨が多く、大会当日の天候も危ぶまれているらしい。
サーキットの車両整備場の中でFC号のエンジンを暖機していると、燃料を加圧しているエアー圧が下がっているのを発見した。加圧系を取り外して水に漬けてチェックしてみると、ペットボトルのタンクからエアーが漏れていた。
エアー漏れ部をエポキシ樹脂で埋めて修理し、再度加圧するとまだ少しづつ減圧している。加圧系を全て水に漬けてチェックしても漏れている場所が発見できない。この奇妙な現象の原因がわからず時間がすぎていく。
今は、とにかく車を走らせ機能のチェックとドライバーをコースに慣れさせるのが大切である。明後日のレースまで時間があるのでそのままにしておくことにした。
次にフランス大会で損傷したステアリング部品の交換とアライメント調整をし、後輪タイヤに空気を入れていると今度は”パーン”という音と共にパンクした。マイナーではあるが次々起こる不具合に一抹の不安を感じながらも、一人でやってみせると自分を奮い立たせながら準備を進めた。
外は依然雨が降ったり止んだりしている。
20時になって、漸く走らせれる状態になると、雨もあがり路面は濡れているが一回目の走行練習を始めることにした。
スタートさせてすぐに気になったのが、排気からの白煙である。通常全く白煙など出ず、今回初めて出た症状だ。
原因はシリンダーからのオイル上がりと推定できるが摺動面に傷が発生していたら大問題だが、そうだとしても傷ついたものは直しようがないので、そのまま走らせて様子を見ることにした。
±15秒ばらつきながら規定の11Lapを終え、燃料を計測すると8.0cc消費して 2448km/Lだった。空気圧漏れで燃料圧力が1kg/cm2下がっていること、ウエットで外気温、路面温度共16℃なので、まずまずといったところだ。
エンジンのコンプレッションを確認したところ正常なので心配していたシリンダーの傷はなさそうだ。 おそらく運転前に補充したわずか10滴のオイルが過剰だったのだろう。
オイルを抜くのは、かなりの作業になるのでオイルが減ってくるのを待つことにした。
22時になったところで、Callo teamに呼ばれてピット内とは思えないおいしいフランス料理を御馳走になって、24時にはホテルへ帰った。
8/26(土)車検、公式練習  Scrutinizing and track testing
朝7時に朝食をとり新聞の天気予報をみると今日は雲はあるが晴天、明日は快晴と書いてあり気にしていた天候は大丈夫のようだ。 新記録樹立にも期待が膨らんだ。
8時にサーキットに到着した後、早速エアー加圧系を昨日と同様に加圧した後、水に沈めてチェックしたがまたも異常を見つけることができなかった。

そこで、一品一品の部品をばらして加圧チェックするため、圧力計のみ加圧するとみるみる減圧していった。
今回使ったブルトン管式圧力計は、ケースに入っているため気泡がケースに溜まって発見できなかったようだ。
予備で持ってきた旧品に交換すると漏れは完全にストップした。
車検に車両を持ち込むとセイフティチェックで片側のブレーキ力がの甘いことが指摘された。その場で調整し直して再車検を受け、次に燃料系のチェックを受けた。
加圧系のセイフティバルブの作動圧や燃料圧力を主催者側のゲージでチェックされるなど、約30分の時間をかけて入念にチェックされた。大分慣れたとはいえ、とても緊張する。
フィンランドの強豪REMMI Team出身の車検員は、技術に精通しており、各チームのシステムに合わせ適切な指摘やチェックを行う。

また、レース後の2次車検では、走行中と同じようにエンジンを始動してセルモーターでタイヤを駆動していないかも新たにチェックされるようになった。
燃料計測、車検等年々着実に進化している。この辺りの厳正さがヨーロッパの自動車レース文化を支えていると感心させられる。
無事通過し、ピットに車両を持ち込み、空燃比を走行中の平均シリンダー壁温85℃で16.5になるように合わせすぐに2回目の練習走行に入った。
時間は既に11:30を回っており、気温は21℃、路面温度は31℃になっていた。
排気管から依然白煙を吐いているが、エンジンはスムーズに回っており、異常はなさそうだ。
11LAPをして燃料消費は、7.0ccで2797km/Lと昨日より、10%以上良くなった。

大会主催者から提供されたシチューの昼食を頂いた後、3回目の練習走行を14:20にスタートさせた。
外気温は23℃路面温度は34℃。周回を重ねるうちにオイルが適量に戻ったのだろう予想通り白煙はほとんど出なくなった。
周回を終え、燃料を計測すると7.4cc 2646km/Lと朝より悪くなっている。
気温が高くなったこと。また、操縦に慣れてきた分確実に記録が伸びるはずであるが、何か異常が起こったのだろうか?ドライバーに聞いてみると、エンジンの始動不良が何回か起こったらしい。ピットに戻って、自分で何度もエンジンを始動させてもすべて確実に始動する。
何が異常なのかわからない。
通常、シリンダー壁温が50℃を下回ると始動不良を起こすことがあるが、最低でも70℃は維持しており、原因としては考えにくい。
今年から軽量化のため1.5AhのNiCdで全ての電力をまかなっており、これが原因かとも考えたが、バッテリー電圧を測ると12.1Vあり、このレベルで始動不良を起こすことはない。
結局原因が分からないまま、バッテリーだけ再充電して次の走行で様子を見ることにした。
ステアリングアライメント、ボルトの緩みなど車両全体のチェックも入念に行って、17:35に4回目の練習走行をスタートさせた。
外気温は23℃路面温度は31℃。周回を終えて燃費を計測すると2870km/Lで始動不良はほとんど起こらなかったようだ。バッテリの充電量の影響か?納得しにくいが、記録もまずまずで、明日の最高気温時にベストセットしてトライすればかなりの記録が狙えそうだ。
20:30からNOKIA市内のホテルエデンで行われるSHELL主催の招待パーティに参加し、サウナ、プール、フィンランドディナーを満喫した。
8/27(日)決勝当日  Competition

8時にサーキットに着くとかなりの強い風が吹いている。気温も11.9℃とかなり低い。
天気予報はちょっと外れたようで、昨日よりもコンディションは悪くなっている。 残念だが、いつもベストな状態で走れることはないので、この状況で最大限記録を伸ばしたい。
9:00から開会式が行なわれ、ファミリー写真の撮影が行なわれ、 9:30になると、いよいよレース開始。憧れのNOKIA サーキットでどれだけ自分達の力を発揮できるか 勝負である。
各チームとも順次スタートするために給油所に並び始めている。我々も通常なら気温が高くなるまである程度待ってスタートさせるがどうも昨日の始動不良が気になるので、 今回は早めにスタートさせて様子をみようということになった。

マシン各部のチェックを入念に行なって、エンジンの暖機を終了し、10:45に1回目のトライヤルを開始した。
風は依然強く吹いており、外気温度は19℃、路面温度は20℃となっている。周回を重ねていく内に何回か始動不良を起こしていることを確認できた。
それでも それなりに走ればそこそこの記録が狙えるのではないかと期待して周回を見守っていると、ラスト2周の10周目、周回を終えて林の陰から現れるはずのマシンがなかなか現れない。心配しながら、どうか壊れないで走ってきてくれと祈っていると予定時間よりも30秒も遅く現れた。マシンは大丈夫のようであるが、残りは1周しかないためこのままではタイムオーバーになってしまう。
ドライバーに早くするように指示すると、なんとラストは猛スピードで1分も早くゴールした。最後は相当飛ばしたようだ。
あまりの極端なスピード調整に文句をいい続けながら、燃料を計測するためにアッパーカウルをあけると、かみさんが真っ赤な顔で怒っていた。
言い過ぎたことを反省し、なだめすかしながら、燃料キャップを開けて燃料を注いでもらうとと何と8.24ccも入り、2330km/Lとかなり悪くなっている。これには、かなりびっくりし、怒っていたかみさんも急に不安な顔になった。
とにかく始動不良を直さなくてはいけない。
ピットに戻って、自分でエンジンをかけると100発100中正常にかかる。そこで、かみさんにやらせてみると、なんと上手く始動しないではないか。
よく観察するとスタータースイッチを切るタイミングがほんの僅か早く、エンジンがかかる前にセルモーターを止めていたのだ。
これなら始動するはずがない。
こんなミスをする筈がないと思い込んでいた自分を反省すると共に、多くのトラブルは、難しいことで起こらず、このような単純なミスが原因で発生するものだ。と、どこぞの本で読んだ教訓を思い出した。
かみさんに何回も練習させ無意識でも上手く操作できるようになった後、2回目のトライヤルを12:10にスタートさせた。
風が依然強く吹いており、始動不良が再発しないか見守っていると、1周目を終えたところでゴールしてきた。
エンジンの調子がおかしいとのこと。度重なる不具合に不安とあせりが入り混じりながらも、この場で直せないような重大なトラブルでないことを祈りながら、各部をチェックして行った。
コンプレッションは正常、点火系は正常、燃料系をみると、燃料を加圧するエアー圧が1kg/cm2まで下がっていた。燃料タンクキャップをきれいに清掃し、キャップを閉め再度加圧すると圧力は下がらず正常。キャップのシール部にゴミが噛んでいたようだ。
すぐさまエンジンの暖機をして、3回目のトライヤルをするために給油所に行って燃料を入れてもらった。
次に、エンジンをかけようとすると今度は全く始動しない。
慌ててピットにマシンを戻して、焦る気持ちを無理に落ち着かせながら、順次チェックしていくと点火プラグのギャップがわずかではあるが拡大していた。正規の0.2mmに調整してエンジンを始動すると勢いよく回り出した。
3回目のトライヤル前に急いで暖機したときにプラグ温度が高くなり熱変形したものと推測される。
落ち着いてエンジンの暖機を行ない、再度3回目のトライヤルを13:00に開始した。
外気温度は23℃、路面温度は27℃となっている。運転に大分慣れてきてラップタイムも始めの1周目に14秒早かっただけで後は±5秒位で通過している。 そして、規定時間47分の20秒前、46分40秒でゴール。
始動不良も発生しておらず、いい記録が出るのではないかと期待していると2601km/Lと2年前の記録とほぼ同じに留まった。
昨日より10%も悪いのは何かあるはずだ。
ピットに戻ってマシンをいろいろチェックしていると、トーインが5mmもずれていた。ドライバーに聞くと旧路面を走行中、段差でハンドルをとられたと言っている。
とにかく調整し直して走るしかない。段差部は、走り出してから無線で回避するよう指示する事として、トーインを0に調整した。
最後になる4回目のトライヤルを14:45に開始した。
風は幾分か弱くなったが記録には影響を与えるだろう。外気温度は25℃、路面温度は35℃まで上がっている。コンディションは極端には悪くない。
ラップタイムはほぼ3回目と同様に安定して通過している。そして、ラスト1周になるところでに規定時間より19秒早く周回した。
余裕が大分あるので最後は通常より少し遅くてもいいと指示を出したところ、逆にかなり早い58秒前、46分02秒でゴール。最後のトライヤルでタイムオーバーしたらいけないと不安になったのかエンジンを長くかけてしまったらしい。
ちょっと残念だが、最後の計量を受けにいくと、6.35ccの消費量で温度補正して出てきた結果は、2年前の自己記録を14%上回る2971km/L。他のチームの記録をみると新型車を完成させたOPTIMA Racingが最もよく、2361km/Lでディーゼルクラスの世界記録を大きく塗り替えた。
我々は総合優勝を勝ち取ることができた。 今回、目標の世界記録までは届かなかったが、来年は、タイヤ/ホイール、エンジン/駆動系の更なる高性能化を図って再挑戦したい。
フィンランド大会遠征日程

8/19(土)広島→名古屋 車両移動
8/20(日)  名古屋出発 09:00-10:05成田着(JL54)
        成田出発 11:20-16:35パリ着(JL405)
8/21(月)  車両セッティング/移動準備
車両BOXのみ 8/22(火)〜8/25(金) 移動 (車/フェリー)
           パリ〜ベルギー〜ドイツ〜デンマーク〜フィンランド
            フランスの名門 MARCEL CALLO teamの御協力により運搬
メンバーのみ 8/24(木)パリ発 11:15-15:20ヘルシンキ着(AY872)
8/26(土)公式練習
8/27(日)決勝
車両BOXのみ 8/28(月)〜8/31(木) 移動(車/フェリー)
          フィンランド〜デンマーク〜ドイツ〜ベルギー〜パリ
          フランスの名門 MARCEL CALLO teamの御協力により運搬
メンバーのみ  8/29(火)ヘルシンキ発12:00-14:10パリ着(AY875)
9/1(金)  車両BOX梱包 撤収
9/2(土)  パリ出発 21:25-
9/3(日)              16:05成田着(JL416)
       成田出発 18:55-20:05名古屋着(JL53)
9/4(月)名古屋→広島 車両移動

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