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8/22 昨日FANCY
CAROL号(我がチームのマイレッジカーの名称)を搭 載しておいたプロシードに乗り込み、TV、新聞取材のためオペラハウスへ出発。
現地に到着し、FANCY
CAROL号をステージまで運ぶ途中で、行き交う人達からも美しいと賞賛され、鼻高々となってしまった。
ボディー製作を協力して下さったデザイン部の皆さん、本当にありがとうございました。そして、操り
人形のように、いろんなポーズを取らされた取材も無事終了した。 |
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8/24〜26 オフィス内でレースのレギュレーションにあわせるため、痛んでいたボディの修復、車両及びエンジンの調整を行った。最後にアマルーパークは路面の凹凸が大きいため、ボディー底面と路面が接触するかも知れな
いと言われたので、アマルーパークへ車両を持ち込んだ。惰行で路面との接触がないことを確認して一安心。
8/27 公式練習1日目。車検を無事すませ、初走するためコースにファ ンシーキャロル号を持ち込んだ後、練習に没頭する現地チームの車両の振動を見て、ぞっとしてしまった。ロードクリアランスを確認したときより、実走行では、高車速のため、車体の振動が大きいのだ。
もし擦ったら、フレームとボディを切り離して、各々を曲げて切断し、再度、張り合わせる大作業になってしまう。
何とか擦らないでくれと、おそるおそる走行させると、”ガリッ”と
いう音がし、車速が明らかに落ちるのがわかった。 |
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公式練習は、今日と明日の2日間しかないため、キャブレター調整とドライバーの練習を考えると、今日
走りこんでおく必要がある。
幸い、車体が擦っても何とか走れる状態なので、とにかく本番と同じ20周走行させることにした。
走行後ピットに入り燃費を計測すると、たったの600km/lしか走っていない。2000km/l前後を期待して
いたのに、これには愕然としてしまった。
気を取り直して、燃費悪化の原因を探していると、リアタイアがパンクして空気がほとんど無くなっているではないか。
また、点火プラグを取り外してみると、失火気味のエンジンの運転状態から燃料が薄くなっていると予想していたのに、濃い時と同じように真っ黒になっていた。日本ではいつも真っ白に焼けているのに、何が違うのかわからない。とにかくオフィスへ持ち帰ってボディの改造とパンクしたタイヤの交換をすることにした。
深夜までの作業により、何とか明日の午後から練習走行できるところまで修理できた。 |
8/28 昨晩、ボディとフレームを張り合わせた接着剤が乾いたのを確認して、アマルーパークへ向かった。
今にも雨が降りそうな曇天の中、あわただしくコースインし、車をスタートさせた。ボディーは、まだ若干擦るものの、もう少し削れば擦らなくなる程度なので、一安心。走行直前に十分暖気をしないと、初めの数周失火することもわかった。
2日目の燃費は、750km/lだった。
にわか雨が通り過ぎた後、3日目は、十分暖気をしてからスタートした。 結果は、800km/l。まだまだ悪いが時間が来たので練習走行はこれで終わり、
後は本番を待つのみとなった。
8/29 今日の。ストリートコミューター(一般車に近い2人乗車)のレースが行われるため、オフィスでエンジン調整、タイヤ交換、ボディの再修 正を行った。 |
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8/30 レース当日、緊張気味に本番前の車検を一番に受け、十分に暖機
してコースインしようとしたら、テレグラフミラー紙の写真撮影とドライバーのTV取材が突然入ってきた。
早く終われといらいらしていると、”You
are star.”と踊らされたものだから、これがなんと20分もパクパク受け答えをしている。”Not now.”いい加減に断れといいに行こうとしたら、帰ってきた。
かみさんに一渇入れて、バッテリーを再充電して、エンジンを暖機し、あわただしくコースイン、スタート。 強風の中、無事20周を終え、オフィシャルの計測を受けると、燃料消費量は、過去最低、おそらくオーストラリアの新記録になるだろうといわれて一安心。昨年までの記録は926km/lで、消費量から計算すると940km/lは走っていた。
かみさんと喜んでいると、出された公式結果は、835km/lとがっくり、なんとファンシーキャロル号は、エンジンの横に燃料タンクがあるために、エンジンの発熱によって燃料が膨張した分、燃料消費量が少なく見えたのだ。 |
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この間、現地チームの No.1とNo.2は1000km/l前後のナショナル記録を叩き出し、我がチームは3位になってしまった。
本番は3回コースを走り、最も良い燃費が記録されるため、まだまだチャンスがあ る。気を取り直して、燃料を少し薄くセットして、2回目のトライをするが、記録は、伸びなかった。 |
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燃料のセッティングが依然としておかしいので、3回
目は、キャブレターを新品に交換することにした。
ピット内でセッテイングし直してコースイン。帰ってきた車の燃料タンクを見るとちゃんと同じように減っている。
もうここまでかと思っていたら、この時だけ何故か計測器が故障したため記録が測定できず、再走行となった。
やった、もう一度トライできる と、心の中で大喜びし、もうくたくたになっている自分とかみさんを頑張れと励まして、本当に最後のスタートとなった。 |
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加速の鋭くなった前走行状態から、燃料が濃くなっているのがわかっていたので、薄くなるようにセットし直し、車をスタートさせた。
周りは薄暗くなっており、強風が依然として走行を
拒むかのように冷たい風を吹き付けている。既に終了した多くの現地チームの 注目の中、1周1周、周回して行くドライバーに、速度調整を手で合図しなが
ら、無事20周走ってくれと祈り続けた。
最後の周を終え、計測結果を息をのんで待っていると、932.51km/lと発表された。114台中総合3位となった。
やっぱりだめだったか。無念だ、と掲示された記録をじっと見つめていると、多くの他のチームのメンバーから、”Well done.”と握手を求められたり、抱
き合いに来たり、驚くほどの祝福の歓迎を受けた。
素直に喜ぼう。そう思いかみさんとともに、今度は自分たちから進んで握手し、参加チームの健闘を称え合った。
表彰台に乗り、3位の賞状と全チームの祝福の歓声を受けた時、「も
う一度初めからやり直すつもりで頑張ろう。そしていつか世界記録を作ってやる。」と心の中で誓った。 |